ボアアップ(排気量拡大)
このチューニングは、エンジンをすべて分解して行う必要がありますので、大掛かりなチューニングといえます。
エンジンをすべて分解した後に、加工業者にシリンダーブロックのシリンダー径を拡大してもらいます。これを『ボーリング』といいます。
この作業は、新しく組み込むサイズのピストン用のサイズに拡大します。よって、排気量が増加するわけですが、ただ単にシリンダー径を拡大するだけで良いものではありません。
シリンダーブロックは、シリンダーヘッドが取り付けられてエンジンとなります。ヘッドを取り付ける際は、ボルトを締めます。このときに、僅かですが、シリンダーブロック側に歪が発生してしまいます。
そこで、ヘッドが取り付けられた状態にする為に、『ダミーヘッド』というものを取り付けて、歪んだ状態でボーリングを行います。これを、『ダミーヘッド・ボーリング』といいます。
さらに真円度を追求する場合は、シリンダーブロックに熱を加えた状態でダミーヘッド・ボーリングを行います。
ボーリングした後に、今度は『ホーニング』が施されます。これは、砥石を使った機械による加工で、これにより、シリンダー壁にはばってん状の条痕が付きます。これを『クロスハッチ』と呼びます。
このクロスハッチは、オイルを保持させる役割があり、これによりシリンダーとピストン、ピストンリングが焼き付きを起こすのを防止しています。
このボーリングがボアアップのメインとなりますが、あまりに大きなピストンを組み込もうとすると、シリンダーが割れてしまうことがあります。そこで、限界ギリギリまでボーリングを施す際には、ライナーを打ち込んでシリンダーブロックを強化する必要があります。
ボーリングを行う際は、次に組み込むピストンも一緒に加工屋さんに送るのが常識となっています。これは、ボーリングの際に、ピストン・クリアランス(シリンダーとピストンの隙間)を加工屋さんが計算してからボーリングを行うからです。
ちなみに、エンジン・オーバーホールの際に行うボーリングも作業は同様ですが、ピストンは、0.5mmオーバーサイズ程度ですので、ボアアップとは言いません。
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